回遊式築山泉水庭園
六義園にスケッチに行ったのは2003.3.14ですから、かれこれ20年前ということになります。

(2003.3.14。うまくピントが合わせられなくて絵がぼけてしまってごめんなさい。)
六義園は造園当時から小石川後楽園とともに江戸の二大庭園に数えられておりました。
元禄8年(1695年)、五代将軍・徳川綱吉より下屋敷として与えられた駒込の地に、柳澤吉保自ら設計、指揮し、平坦な武蔵野の一隅に池を掘り、山を築き、7年の歳月をかけて「回遊式築山泉水庭園」を造り上げました。
六義園は吉保の文学的造詣の深さを反映した繊細で温和な日本庭園です。
庭園の名称は、中国の古い漢詩集である「毛詩」の「詩の六義」、すなわち風・賦・比・興・雅・頌という分類法を、紀貫之が転用した和歌の「六体」に由来します。
庭園は中の島を有する大泉水を樹林が取り囲み、紀州(現在の和歌山県)和歌の浦の景勝や和歌に詠まれた名勝の景観が八十八境として映し出されています。 (六義園公式サイトより)
古今和歌集
柳澤吉保が愛した古今和歌集の中から、ぼくの好きな和歌を二つ紹介したいと思います。(百人一首にもあります)
① 花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに 小野小町
(歌意)
(長雨が降っている間ー花の色ははかなくも色あせてしまった。いろいろなことをして生きている間に、わたしの容貌も女盛りを過ぎてすっかり衰えてしまったのだなあ。)
② 天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも 安倍仲麿
(歌意)
留学した中国で空を見上げ、今見ている月は昔奈良の春日にある三笠山の上に出ていた月と同じ月なのだなあ。
(安倍仲麿は遣唐使留学生として30年余中国にいたが、いよいよ帰国というとき、月を見て望郷の想いがこみ上げてきたのである。)
美しかった六義園の1カットをイラストに描いてみました。
六義園のイラスト

(交通)
JR山手線駒込駅・東京メトロ南北線から徒歩7分。
都営地下鉄三田線「千石」から徒歩10分。